
社会人として働いていると必ず出くわすのが失敗。
仕事で失敗をすれば周りに迷惑をかけてしまい、上司から怒られてしまい自分は仕事ができないのではない人間なのではないかと落ち込んでしまっているかもしれません。
しかし、仕事で落ち込んでいるあなたは、今、非常に視野が狭く大切な事実を見落としています。
今回は、そんな仕事の失敗で見落としている事実を見つめ直し気持ちを切り替える方法と次に失敗をしないための仕事の進め方について考えていきます。

仕事で落ち込むあなたに眠る大きな魅力
まずは、仕事で落ち込むあなたに伝えたいことがあります。
それは、仕事で落ち込むあなたには大きな魅力があるということです。
そもそも落ち込むということは自己責任を感じているということです。職場の同僚には失敗をしても何にも悪びれもせずのうのうと仕事をしている人もいますが、この人たちは落ち込むということをしません。自分に責任はないと考えているため落ち込むということにならないのです。
自分に責任を感じない人は成長しません。自分の責任がないためそれに応えようとする努力をしないからです。
しかし、自己責任を感じるあなたには成長の機会があります。仕事の失敗で落ち込むあなたには成長という大きな可能性を秘めているということです。
✔︎落ち込むということは責任を感じているということ
✔︎責任を感じる人は成長の機会があるということ
成功者に見る失敗の対処法
そもそも失敗とは誰もが通る道です。この失敗に対して大事なアプローチはこの失敗を教訓に次に生かすということです。
過去や現在を見渡しても大きく成功している人は裏でたくさんの失敗をしています。
例えば誰でも知っている偉人の一人にエジソンがいます。エジソンは電球を発明するなど大きな成功を収めた発明王ですが、電球を開発するその裏で2000回にも及ぶ失敗を重ねているという事実をご存知でしょうか。これだけの失敗を行なったエジソンは次のような言葉を残しています。
私たちの最大の弱点は、諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう1回だけ試してみることだ
トーマス・エジソン
また、サッカーの本田圭佑選手も次のような名言を残しています。
俺の人生は挫折の連続なんです。でもそこからはい上がろうとして、未知の世界を知ることもある
本田圭佑
エジソンも本田選手も失敗から経験を得ています。過去、現在を問わず成功をするには失敗は欠かせないということになります。
しかしながらこのエジソンも本田選手も落ち込んでいないというわけではありません。
エジソンの電気供給覇権を争った内容を題材にした映画「エジソンズ・ゲーム」では落ち込むエジソンが移されていたり、電流戦争の相手を貶めるようなことを行なったりと人間くさい行動をとっています。
また本田選手もあるインタビューの中で毎日落ち込んでいるという発言をしています。(インタビュー記事はこちら)
では、エジソンや本田選手のような失敗に向き合うことで得られるものがある人と仕事で落ち込む人たちと仕事で失敗をしても落ち込まない人たちの考え方のフローをまとめてみると次になります。
失敗から得る人 | 失敗で落ち込むだけの人 | 失敗で責任を感じない人 |
失敗 ↓ 落ち込む ↓ 次に繋げる | 失敗 ↓ 落ち込む | 失敗 ↓ 気にしない |
見てお分かりの通り、成功を掴む人は失敗で落ち込んだ後に、その失敗を次につなげているということです。一方で、失敗で落ち込む人はその経験を次に繋げるということを行わず、落ち込んで終わってしまっています。失敗で落ち込まない人に至っては失敗を気にすらしません。
失敗を気にしない人はその経験を次に生かすこともできません。しかしながら、失敗で落ち込むあなたにはその経験を次に繋げられるという可能性があります。
✔︎成功している人も裏では失敗をして落ち込んでいるということ
✔︎成功している人は落ち込んだ後に次に繋げているということ
仕事で落ち込む2パターン
失敗をしてしまうと落ち込んでしまう原因をより詳しく見ていきましょう。
パターン1:人に怒られる
人に怒られることについて考えて見ましょう。
怒るという感情のメカニズムを見てみるとマイナスの感情や状態をエネルギーとして「〜であるべき」という自分の価値観が裏切られることによって怒ることになります。
ではこの怒るということを仕事の現場で見てみます。
怒る理由:期待とのギャップ
人に怒られる理由は「こいつならこれくらいはできる」という期待があるということです。その水準に達する事ができなかった、その期待に答えられなかったことにより怒られているということになります。
仕事で期待をしなくなると人怒らずに次の仕事の機会を与えないようになります。仕事のミスで怒られた場合は求められた内容とそこに達していないというギャップから生まれますが、裏を返せば期待の表れとも言えます。
✔︎怒られるということは期待されているということ
怒る理由:不利益を被る
自分の責任ではないことで不利益を被れば当然のことながら人は怒ります。
自分の失敗によって相手に不利益を被らせてしまっては、相手が予期せぬ不利益を被ったことにより怒ります。自分の仕事の失敗についてしっかりと反省し、どこで失敗をすることで相手に不利益を被らせてしまうのか、どうやって今後はどのように仕事をすべきなのかしっかりと検証する機会を得る事ができたと考え方を変えてみましょう。
✔︎怒られるような失敗を経験したことで自分の仕事の影響の範囲がわかるということ
怒る理由:理不尽な場合
もちろん、人によっては理不尽に怒る人もいます。自分に責任はどう考えても無いのに責任だけ追求され精神を疲弊させてくる怒り方の人たちです。
この人たちが周りにいる場合はいつでも転職できるようにしておく他に道はありません。
職場に無礼な人がいるとその無礼さが職場内に伝播し企業の生産性は落ち込んでいく、さらには多くの人の健康リスクが高まっていくことが科学的研究から明らかになっています。
働くということは生きるための手段であって目標ではありません。ましてや働くことで健康リスクを高め、鬱病になってしまうとメンタルクリニックのお世話になり、転職の際に不利になります。
人には現状維持バイアスというものがあります。現状は今自分が経験している状態であるため未来予想がしやすく、不確実な未来よりもよく考えてしまうこと傾向のことを指します。もし自身の所属する会社の企業文化がおかしい場合は転職することを視野に入れおいた方が賢明です。
パターン2:自ら責める
周りから怒られているわけでもないのに落ち込むケースもあります。失敗したことにより周りの仲間や仕事先に迷惑をかけてしまったために責任を感じるわけです。
この場合は、まずは周りの人たちに感謝をしましょう。自分の失敗をフォローしてくれた、失敗を許してくれたということに感謝を忘れているケースが多いです。
次に、これを許してくれた人たちに次は迷惑をかけないように決意しましょう。
✔︎失敗を許してくれた人たちへの感謝を忘れないこと
落ち込み続けるとどうなるか
仕事で失敗し落ち込んでいると、仕事を含めさまざまなことに集中できなくなってしまいます。仕事において集中できない状態になって仕舞えば更なるミスを誘発しますます落ち込んでしまうという負のスパイラルに陥っていきます。
場合によっては普段できていた仕事もできなくなってしまいます。
最悪の場合だと鬱病につながっていき、メンタルクリニックに行かないといけなくなるなど時間もお金も奪われてしまいます。
早くに落ち込んでいる状況を改善し次に繋げていきましょう。
✔︎落ち込見続けると負のスパイラルに陥っていくということ
落ち込むあなたに教えたい気持ちの切り替え方

と考える人も多いでしょう。実際にサイト運営者のコツリンもそうでした。しかし、そんな私でもこれから書くようなことを実践することで気持ちの切り替えができるようになってきましたのでその方法をご紹介いたします。
成功していることにも目を向ける
確かに失敗をしてしまっては落ち込んでしまいますが、同時に成功していることも思い出すようにして見てください。
人の思考はネガティブなことを大きく捉え、過大評価するとともに記憶に残りやすいという特徴があります。本来であれば会社の同僚などに大きな貢献を果たしているにも関わらず、自分の失敗ばっかりに目がいってしまっているということもあります。
今一度冷静になり、普段の自分が周りの人たちのどういったことことで貢献できているのかを考えて見ましょう。そうすれば自分の失敗が案外小さなことであることに気づけたり、失敗に対して他の側面から見つめ直す事ができます。
好きなことに熱中する
これまで自分がやってきた好きなことで頭の中が空っぽになる、もしくは一つのことに集中できるような事があればそれに時間を割いてみましょう。
コツリンの場合はドラムの演奏です。ドラムの演奏は自分の頭の中のイメージを音として表現することに全神経を集中し、全身の体を使います。そのため頭の中が空っぽになりやすい趣味なので仕事で落ち込んだら1時間くらいドラムをめいいっぱい叩きそして楽しみます。
運動をする
特に熱中できるような趣味がない場合には運動をして見ましょう。
特に余計なことを考えられなくなるくらい激しめに運動を行なってみると頭の中から嫌なことが一時的になくなります。この一時的にでも忘れられる事が非常に大切で、一度頭の中からなくなることで、落ち込みの原因である失敗に対して見つめ直す事ができます。
紙に悩みを書き出す
自分の悩みをとにかくノートに書き出すことも自分の心を整理するのに有効な方法です。
これはテキサス大学の社会心理学者、ジェームズ・ペネベイカー教授が明らかにしたジャーナリングと呼ばれる手法になります。ジャーナリングを行うことで自分の心と向き合うことができ心身ともに健康になる事ができる手法になります。
具体的なやり方は集中できる環境下で一つのテーマについて5〜10分ほど気持ちの思うままにノートに書くだけです。この時きれいに書くことは考えず誤字脱字については考えないでください。また、手を止めることはしないでください。頭で考えずとにかく手を動かし自分の中で意味が分からなくてもひたすら書き続けることが大切です。終わったら自分の書いた内容を見直すことで自分の気持ちを見つめ直すことに繋がります。
ジャーナリングについてはこちらの本で詳しく記述されています。
自分に優しくし自分を励ます
あなたの周りに落ち込んでいる人がいたらどうしますか?
大抵の人は落ち込んでいる人に優しくして励まして勇気づけますよね。しかしながら人は自分が落ち込んでいても自分で励ますということはしません。この自分で自分に向き合い優しい言葉をかけ励ますことををセルフコンパッションと言います。セルフコンパッションを行うことで自尊心が高まり不安やうつの症状が減ることが研究によって明らかになっています。
もしも落ち込んでしまったら、自分に向き合い自分を励ましてきましょう。
このセルフコンパッションを鍛える方法もいくつかあります。「セルフ・コンパッション あるがままの自分を受け入れる」はセルフコンパッションのバイブル的な本であり、興味がある方は一読することをおすすめします。
次に失敗しないための方法
落ち込んでいる状態から立ち直ったら、失敗しない方法を考えましょう。成功者にみる失敗の対処法でも書いたように失敗から何を学ぶかが大切です。失敗して落ち込んでただ立ち直っただけでは成長につながりません。失敗から学び次に生かしましょう。
この失敗から学ぶことも仕事の内容によって対応方法が変わります。
新しいことに挑戦して失敗した場合
新しいことに挑戦して失敗した場合は、失敗の原因を明らかにして再度チャレンジをした際に同じような結果にならないようにすることです。
そもそも、挑戦とは失敗の連続であり、挑戦に対する失敗は本質的な意味での失敗ではありません。
失敗したわけではない。それを誤りだと言ってはいけない。勉強したのだと言いたまえ。
トーマス・エジソン
エジソンには失敗に関する多くの名言がありますが、どれも失敗は成功のためのプロセスであり学習の機会と捉えています。新しいことへの挑戦は誰もがやったことのない未知への挑戦です。挑戦で失敗をしない人はいません。
新しいことへの挑戦で失敗したら、それは失敗ではなく学習の機会と捉えその原因を考え次に同じ原因による失敗を行わない事が大切になります。
普段の業務で失敗をした場合
普段の業務で失敗をした場合は、その失敗を次に引き起こさないようにしましょう。この時に気合いで次は失敗をしないという方法を考える人がいますがこれはおすすめできません。
単に注意力を上げて失敗を防ぐということはその時の体のコンディションや精神状態によって左右されてしまうため失敗を防ぎ切れないからです。
失敗を次に引き起こさないという方法を考えるのであれば、防止法として以下のやり方を考えることで効率的に予防できます。
仕事の構造を見直して予防
失敗が起きた原因を突き止めて失敗が入り込まないよう構造的に予防する方法があります。
例えば、パソコンのデータ入力の時に数字で「100」と入力させないといけないところで表示を気にしてしまい「¥100」と文字列で入力してしまったことが原因で請求書に誤った金額が載ってしまったというケースを考えます。この場合は入力の段階で数字しか入力させないようデータの入力規制を行うことで予防できます。
このように仕事の構造を見直して、失敗が入り込む余地がないようにする方法があります。
今回失敗してしまった原因を見つめ直しミスの入り込む余地があったと考えてそのミスが起きないように仕事の構造を見直しましょう。
確認の仕方を考える
よく失敗をした次はしっかりと確認を行おうというだけで終わる人がいますが、あれでは同じ失敗を繰り返します。
仕事の原因が確認ミスであるならば、仕事のワークフローの中に確認項目を入れましょう。もちろんただ確認しようというだけでは意味がありません。人間の集中力には限界があるからです。
例えばパソコンのデータ入力で「10000」のところを「1000」と入力してしまった場合などは構造的に防ぐ事ができず人為的なミスとなります。
この場合は確認が必要となりますがただデータ入力の時に気をつけましょうと言ってもそれだけでミスをなくそうというのは無理な話です。
そもそも人間はマルチタスクが苦手であるということが判明しています。データ入力の例で言えばデータ入力の元である資料を確認し、その内容を指定の場所に入れ込むというという作業が既に発生しています。この状況の中でデータの入力内容にも気をつけるというタスクも入ってしまうと、「データの入力」と「データの確認」となってしまい作業内容が増え、マルチタスクになってしまいます。
その結果起きることは作業効率の低下と作業の正確性の低下です。
そこで仕事の内容を確認する場合は確認作業のための時間作り出し確認作業だけに集中するワークフローを考える必要があるということです。
仕事内容の確認の時間を極力まとめてしまい、仕事のワークフローの中でどのタイミングで行えば効率よく行えるのかを検討しましょう。
また、複数のデータを確認するなど複雑なデータの確認の場合は他の人に協力を求めましょう。データの読み合わせなどは一人で行うと時間がかかるうえに不正確な検証となってしまいます。
確認作業は何かのついでに行うものではなく、それ自体を仕事のワークフローの一つとして捉え直しどのタイミングで行うかを考えるとともに、極力シンプルに確認ができるような方法を考えましょう。
まとめ:失敗しないもまた失敗である
失敗とは嫌なものですが、実は過去や現在を問わずに成功者も裏では失敗し落ち込んでいるという事実があります。私たちは成功者を見てしまうとついついその成功した部分のみに目がいってしまい裏で失敗をしているという事実を見逃してしまいます。
大切なことは失敗から学ぶかどうかです。失敗からどのような教訓を得て次に生かすのかが成功への切符になります。
そのためには、気持ちを切り替える方法を身につけ、次に失敗をしないためにはどうすれば良いのかという対策について、失敗が入り込まないようにする構造を造る、確認をしっかりと行うということであれば確認の際にしっかりとミスなく確認ができるようワークフローに盛り込み、集中できるようにシングルタスクにしましょう。