
新しく入った新入社員。でもいろいろと仕事に対して理由を聞いてきたりしてきてうっとうしく感じることもしばしば。しまいにはめんどくさくなって発言させないような雰囲気になることもありますが、それ生産性を上げるチャンスを逃しています。

心理的要因
私たちは無意識に、検索抑制という心理的要因にとらわれています。
クイズ
いきなりクイズです。
九州地方の県をすべて思い出してください。
難しいのでヒント。熊本県があります。
・・・
シンキングタイム
・・・
思い出せましたか? もしかして熊本県がやたら頭に浮かんできませんでしたか?
ここで重要なのはヒントが与えられたことです。九州地方を思い出そうとしてもヒントを与えられることによって逆にヒントが頭の中に残ってしまい、ヒントがない状態より答えるのに時間がかかってしまいます。
検索抑制
このように人はなにか特定の思考法が提示されるとそれに考えが縛られてしまいます。これが「検索抑制」という効果です。私たちはこの検索抑制という思考に無意識に取りつかれています。
カジノでルール変更
過去にカジノで大もうけした人がいます。
時はカジノ不況時代。そんな時代に一人の男がやってきました。
カジノを含む賭け事は必ず胴元が得するようにできています。しかし、その男はルール変更を申し出て、負けが一定額のXを超えたらX%変換して欲しい」などルール変更を申し出ました。このようにルール変更をすることで損失を限定的にし、さらにはその男が胴元のように儲けられるようにしました。
カジノ側も不況だったため、ゲームに参加してもらいたくこの提案を受け入れました。
これは見事に検索抑制に打ち勝った例です。私たちは「カジノではルールが決まっている」という思考に無意識に取りつかれています。しかしながらこの人はこの考えから脱却し大金を得ることに成功しました。
仕事の引継ぎ―教わる側と検索抑制
サラリーマンは前任者から仕事を引き継いでいますが、これは同時に検索抑制が働いてしまい、仕事はこのようにやらないといけないという思考にとらわれてしまいます。
しかしながらこの仕事の引継ぎは過去のやり方であり。現在の会社のやり方にあっているのかは不明です。少し極端かもしれませんがパソコンが普及していなかった時代のやり方が引き継がれているかもしれません。これでは生産性を下げています。
ではこれを打破するにはどうすればよいのでしょうか。
引継ぎの際にはもっと簡単な方法はないのかを考えることが重要です。
「いつでもこんなこと考えているよ」と思うかもしれませんが、人からものを教わるときというのは、受け身になっているので主体的な思考というのはほぼないと考えましょう。
例えば、小学校や中学校で勉強をしていた時、授業中に自分から「この部分ってどういうことかな」とか考えている人はあまりいません。
このように、私たちは教育を受けているときは主体的に考えるのではなく。自分の考えを指導者に寄せているだけの作業になってしまいます。そしてこの知識はすでに疑いのないものとして私たちに定着してしまい、自然と「検索抑制」の罠に引っかかっています。
ではどうすればよいのか。とにかく手段ではなく目的に着目しましょう。目的をはっきりとさせることでそのために手段に対してもっと着目することができます。
つまり、仕事の引継ぎをするときは作業の目的を明確にしてその目的に向かってもっと簡単な方法がないかを考えることで生産性を上げることができます。
もちろん、仕事というのは非合理的に見えても理由があったりすることもありますので、いったんは純粋に前任者のやり方を覚えて、仕事の全容を理解してから効率的に仕事をしていきましょう。ただし時間が経ってしまうと効率的にできるかもしれない案が頭の中から消えてしまいますので、メモを取ることを忘れずに。

無意識であり当たり前と思っていることで生産性を下げているということか・・・。
大切な新入社員-教える側と「検索抑制」
とはいえ、会社に働いているだけでも知らず知らずのうちにその会社のやり方に染まってしまい「検索抑制」に囚われてしまいます。
これを脱却させてくれる存在が新入社員の存在です。
新入社員はその会社に染まっていないですから、仕事のやり方を教える際に疑問に思ったこと、面倒だなと感じたことを聞いてくれる環境を整えましょう。このとき、教える立場の人間からすれば当たり前のことをいろいろと聞いてくるかもしれませんが、それを邪険に扱ってしまうと、せっかくの新入社員からの意見が封殺されてしまう可能性があります。新入社員の意見が10あったらそのうちの1くらいしか生産性を上げる発言はないと心得ましょう。
新入社員の意見に耳を傾けるなんて恥ずかしいと思うかもしれませんが、そこは自分にとって仕事が簡単で早く終わる方法を選ぶのかプライドをとるのかの問題です。
私は、仕事を効率よく終わらせて趣味の時間を確保したり、後輩や部下と打ち解けて楽しく仕事がしたいので後輩の案に耳を傾けることを選びます。
まとめ
私たちは知らないうちに「検索抑制」という思考の罠に囚われています。
これを打破するには、仕事を覚えるときにこの作業の目的が何なのか、主体的に考えることが大切です。一方で新入社員というのはこの「検索抑制」に囚われていませんので、新入社員の意見というのは積極的に聞いたほうが作業効率化に大きな影響が出ます。